【戸田市】スーパークレイジー君議員が、なぜ当選無効の異議申し立てをされているか解説します。

2021年1月31日(日)に投開票が行われた「戸田市議会議員一般選挙」にて、定員は26人中、25番目の得票数912票を獲得し、見事初当選を果たしたスーパークレイジー君議員が、当選直後からなにかと話題になっています。

当選直後は“元・暴走族”や“合計5年間を少年院で過ごした”などといった経歴を扱うメディアが多かったスーパークレイジー君議員ですが、ここ数日また新たな話題で度々メディアに取り上げられています。

一体何が問題となっているのかわからないあなたへ、問題の争点を解説いたします。

スーパークレイジー君議員によると、2021年2月4日(木)深夜、選挙管理委員会の事務局長を務めるA氏に『戸田市立戸田東小学校』の正門前に呼び出されたそうです。

スーパークレイジー君議員が現場に到着すると、A氏はテニスの素振りのような動作をしていました。

なかなか本題に入らないA氏に対し、スーパークレイジー君議員が「本題はなんですか？」と尋ねたところ、A氏からスーパークレイジー君議員に当選無効の異議申し立てが出ていることを告げられたといいます。

その際に、

「今すぐ辞職し、ゴメンナサイというのが一番あなたの株が上がる」

「裁判とかになったら戦うには相当な体力が必要だ」

「ごめんね。4年後にチャンスがあるから」

などと、A氏より辞職圧力をかけられていたそうです。

スーパークレイジー君議員に当選無効の異議申し立てが出ている理由は、選挙が行われた2021年1月31日(日)の3カ月以上前から戸田市での“居住実態”があったかどうかということです。

なぜ、スーパークレイジー君議員が選挙の3カ月前から戸田市に居住していたかが、そこまでの問題になっているのでしょう？

「公職選挙法」では9条2項、10条1項5号にて、選挙が行われる日までの3カ月以上前からその市町村の区域内に住所を有すること、が地方議員になるための要件としています。

“住所を有する”とありますが、手続き上、住所が移されていればよいのではなく、実際にその土地にすんでいる“居住実態”が必要になります。

「公職選挙法上」の住所とは、生活の本拠であり、生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指すものなのです。

2020年9月の法改正で、地方議員選挙に立候補する候補者は、居住実態があることを誓う旨の「宣誓書」を届け出るようになりました。

もちろん、スーパークレイジー君議員も選挙に出馬する際に、この「宣誓書」を届け出ています。

もし、スーパークレイジー君議員の宣誓内容に虚偽があった場合、“30万円以下の罰金”の罰則が科され、罰金刑を科されると選挙権および被選挙権が5年間停止してしまいます。

スーパークレイジー君議員は「もちろん居住実態がある」と潔白を主張しています。

A氏がスーパークレイジー君議員に対してとった行動について、菅原戸田市長は「不適切なものであり、遺憾に思っております。」との声明を出し、戸田市選挙管理委員会の駒崎委員長は、A氏が2021年2月4日(木)の深夜にスーパークレイジー君議員と面会したのは事実だったが、辞職を勧めた事実はないとしつつも「言動は誤解を招くものであり、不適切だった」とコメントしています。

なお、A氏は2021年2月18日(木)付で選挙管理委員会の事務局長から異動となっています。

戸田市選挙管理委員会によると、2021年2月15日(月)に市民から「戸田市内に住んでいる実態がないのでは」などの理由でスーパークレイジー君議員の当選無効を求める異議の申し立てがあり、翌2月16日(火)に受理したそうです。

過去にも居住実態が問題となった地方議員が、調査の結果「居住実態がない」と判断され当選は無効、裁判で争うなどしたものの、最終的には失職したという例もあります。

スーパークレイジー君議員も、水道や電気、ガスなどといったライフラインをどの程度使用されていたかなどの客観的な事実から「生活の本拠」といえるかどうかが、争点となりそうです。

今後、スーパークレイジー君議員の居住実態調査や、本人や関係者へのヒアリングなどを行い、生活の実態について調べた上で、30日以内には結論を出す方針とのことで、もうしばらくはスーパークレイジー君議員の話題は続きそうですね。

 

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