【蕨市】“成人式発祥の地”を自称する市町村は蕨市以外にもあった!?一体どっちを“成人式発祥の地”と呼べばいいの?
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、中止であったり、オンラインでの開催となったり、全国的に波紋を呼んだ2021年の成人式。
「成年式発祥の地」である蕨市は、「第75回 蕨市成年式」を今秋開催へと延期しております。
この「成年式発祥の地」が蕨市であるということは、蕨市にお住いのあなたにとっては常識中の常識であって、疑うことのない事実だと思います。
【蕨市】“成年式発祥の地・蕨市”として開催を予定していた「第75回 蕨市成年式」は、新型コロナウイルスの影響により延期となります。
しかし、2021年2月5日(金)に放送されたNHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』にて、蕨市民にとって見逃せない内容が放送されました。
テーマは「冠婚葬祭の“冠”ってなに?」
「冠婚葬祭」という言葉にはその漢字一つ一つに下記の意味があります。
・冠 ⇒ 成人式
・婚 ⇒ 結婚式
・葬 ⇒ 葬式
・祭 ⇒ 祖先祭祀(法事・法要)
「冠婚葬祭」とは、人が生まれてから体験する人生のイベントを順に並べた四字熟語です。
昔は一人前になると“冠”や“えぼし”を被っていたことから、現在は“大人になる儀式”として認知されている“成人式”が、この「冠」に当たります。
そこから成人式にまつわる内容となり、「成人式発祥の地」と自称している市町村が、蕨市以外にもう1カ所あるというのです。
それが、宮崎県諸塚村です。
ご存知の通り、蕨市には「成年式発祥の地」として記念像が存在していますし、『わらび郷土かるた』には“成年式 発祥の地は ぼくらのまち”という札も存在します。
しかし、宮崎県諸塚村にも「成人式発祥の地」という石碑が存在しています。
蕨市では、太平洋戦争終戦の翌年1946年、まだまだ戦争の傷跡が大きく深く残っていた社会で、「次世代を担う若者を、まちを上げて激励しよう!」という趣旨で「青年祭」が開催されました。
その中で、現在の「成人式」式典の礎となる「成年式」が行われたのです。
一方、宮崎県諸塚村で最初の「成年祭」が開催されたのは、蕨市の「成年式」が開催された翌年1947年4月3日。
しかし、当時の宮崎県の役人が、諸塚村で開催された「成人祭」について、当時の文部省に持ち帰り報告したことが、“成人の日”の制定のきっかけとなったと主張しています。
この話を聞いて、あなたはどう思いますか?
1年先に開催している蕨市が、やっぱり「成年式発祥の地」で間違いないですか?
それとも、“成人の日”制定のきっかけとなった宮崎県諸塚村こそ「成人式発祥の地」と呼ぶに相応しいですか?
この件について、解説していた『國學院大學』の新谷尚紀教授は素晴らしい回答をされています。
「白黒つけないのも、大人ですよね。」
「成年式発祥の地」記念像(埼玉県蕨市)はこちら↓
「成人式発祥の地」石碑(宮崎県諸塚村)はこちら↓